宅録勢の素人が「Pro Tools」を導入してみた。メリットとデメリットを一挙に紹介。

DTM/音響関連

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。桃莉瑠衣です。

さて、書きたいネタはあったのですが、いろいろとありましてこの時期になりました。

そのなかでも直近で変えた環境のお話をします。

DAWをStudio One→Pro Toolsに!!

タイトル通りなのですが、DAW(Digital Audio Workstation:音楽編集ソフト)を変えました。

初心者の方でも聞いたことがあるほどの知名度を誇り、レコーディングスタジオなどの現場ではスタンダードと名高い「Pro Tools」を導入しました。

それまではTwitterなどの歌い手界隈の間で特に人気の高い「Studio One 4 Professional」を使用していました。

このDAWは巷の評判通りで、とっつきやすく、各種操作もしやすいものでした。

しかも要求スペックがそんなに高くはないので、低スペックでもそれなりに動かせる上に、付属のプラグイン(特にEQ)の視認性がよく、その点はかなり気に入っていました。

しかし、ProToolsはニコニコ(β)時代、僕が歌い手をやろうとしていた高校時代から知っていたもので、更に最近レコーディングで実際に使ったり、使用しているシーンを動画で見たりして「どうしても気になるなあ・・・」と思い、そしてクリスマス・イヴの深夜に手が滑り、年間サブスクリプション(月額払い)を契約。

「やってしまったなあ!!!」と思いつつ、後悔はしておりません。実はいろいろ考えがあるので。

価格について

気になるのはやはり「お値段」かと思われます。

ProTools料金表(Avid公式サイト)

僕が選んだのは先述の通り、「月額サブスクリプション(1年契約)」という自動車保険のようなプランです。

そのお値段、なんと月29.99USD。JPYにすると3,500円、税込で3,850円。

年間にすると46,200円。

僕の今の携帯代とタメ張れます。

この料金は「1年契約の月額払い」という扱いで、1か月単位の場合は4,510円。

年間契約を丸ごと購入する場合は38,830円で、月単位にすると3235円なので、まとまった金額が出せる場合はこちらのほうがお得です。

Amazonでの売価もAvid公式サイトでの価格と同等です。

なお、永続ライセンス(買ったら永久に使える、いわゆる買い切り)の場合、1年間のアップグレード・サポートつきで77,880円。

2019年12月末をもって、既に永続ライセンスを持っている方で1年間のアップグレード権が切れた方のための「再加入パッケージ」の販売が終了しました。更に2020年4月時点で取扱店の在庫も無くなったようなので、永続ライセンスの旨味は今後無くなっていくものと思われます。
 

DAW単独で考えると恐ろしい価格です。

前述のStudio OneやCubaseなどの上位版が4-5万円台の中でこれだけ頭一つ飛び出ています。

それでも現場の第一線で活躍しているDAWであり、音響エンジニアやその卵、果ては僕のような宅録勢に至るまで(こちらは少ないかもしれませんが)、使用しているユーザーもそれなりに多いものです。

そんなPro Toolsを導入した背景、メリットやデメリットをご紹介していきます。

そもそもなんで導入したの?

あれこれ語る前に、まずここから触れないと始まりません。

使っているシーンを見て

去る2019年10月19日、実に6年来の付き合いのある「野村哲也」君にレコーディングの監修をお願いしたことがきっかけです。(リンクでTwitterに飛びます)

それであーだこーだとやり、日を跨ぎ、持ち帰り、完成した音源がこちら。

この当日のためにPCを除く全ての機材を持ってきてくれて、プラグインの使い方や様々な裏話も聞けて、推してぇてぇもして。色々とお世話になりました。

このRecで使用したのがProToolsだったのがまず一つ目のきっかけです。

マイク・スピーカー・IF・ソフトまで持ち込みの万全体制。

そして、YouTubeでのこの動画もちょっとしたきっかけです。

やっぱり広く使われてるんだなあ・・・と。(何よりJUMBOさんがかっこいいのでぜひご視聴を!!)

プラグインバンドル買うより安上がりなのでは?説(未実証)

Studio Oneをメインとしていた当時、ボーカルミックスに有効なプラグインを・・・と検索をかけると色々と別個で出てきて、それが付属で搭載されていない・・・なんてことが多々ありました。

ちなみにCubaseもかつて使用していたことがあり、UR12付属のライセンスを踏み台にCubaseに戻って上位グレードへ上げるのを考えていました。

加えてWavesのバンドルを購入を検討していたのですが、後述のプラグインよくばりセットを見て「これ導入するならProTools買ってしまったほうが安上がりでは??」と思い、最終的に導入に至りました。

ProToolsの魅力とは?

さて、ひとまずは魅力を紹介していきます。

実は唯一無二の公式サブスクリプション形式DAW

DAWは数多くありますが、その大多数・・・否、ProTools以外のほとんど全てが「買い切り」方式です。

無料やIFバンドルのDAWを使ってきたけど物足りない、そろそろ上位版を・・・と考えて価格を見てみたら頭を抱える、という経験は誰しもあるかと思われます。

上にのっけてる「FL Studio」もコスパが高いと評判ですが、それなりに値段は張ります。

そんな中、月額・年額の方式を直接提供しているのはAvidだけです。

Adobeの「Creative Cloud」と同じ仕組みですね。

公式以外だと海外サイトで「Splice」というウェブサイトがあり、Studio One Professionalが提供されていますが、アップグレードなどの扱いはどうなるのかは未知数です。

「有料DAWをポンと買えるお金がない!!」といった場合に良いですね。

また、「少しだけ試してみたい!」とか、「ミックスデータがProToolsセッションで送られてきた!!」なんてときにもいいですね。

「玄人感」のある見た目

まずは画像を1枚。

腕はともかく見た目はプロっぽい

なんかこれだけでも「すごくプロっぽい」見た目をしています。

これを軽々と扱えるようになったら絶対にカッコいい。

まさに「Pro」のための「Tools」といった感じ!!

多少古めかしい見た目をしていますが、ちゃんとWindows10 1909で動いています。

ちなみにこちらは大したことはしていません。自分で録音したデータをあれこれいじっているだけです。

それだけでこの格好良さ。素晴らしい。自己満足2万点。

プラグインがいっぱいついてくる(条件あり)

少し大きめの画像になりますが、Avid純正プラグインだけでこれだけの物量があります。

(ReWireなMelodyne4は除きます。除いても1個減るだけです。)

純正プラグインだけでこの物量。

説明が遅れましたが、AvidはPro Toolsを開発しているメーカーです。

月間及び年間サブスクリプション契約の場合、「Avid Complete Plug-in Bundle」というものが付属するので、基本的+αなプラグインをカバーできます。

永続ライセンスを購入した場合、別途で購入が必要です。まあ6000円なら安いですね。

Avid公式Complete Plugin Bundle購入ページ

更に、「AIR Music Technology」製のプラグインも20種類以上同梱されています。

「この物量・・・Wavesいらんくない??」って思い購入を保留しました。

そもそもこれにWavesバンドルを足すと明らかに頭がパンクするのでしばらくはいいかも・・・

ProTools導入前の9月にiZotopeのMusic Essential Bundle(Elements Suite V4+α)を購入しましたが、基礎的な部分をわかってないうちに乱用するのもなんだかなーとも思ったので、ありがたいです。

まあ使いこなせていませんがね!!!(そもそも導入から1か月未満)

↑僕が購入した後に出たブラックフライデー限定バンドル。Ozone 9にアップグレードされています。買い時を見誤った・・・(まだ売ってます)

ルーツは業務用ソフトながら動作は軽快。

ProToolsはもともとがレコーディングスタジオなどで使用されている、いわゆる「業界向け」のソフトウェアです。

そういった多機能なソフトは基本的に読み込み・動作がかなり長くなりますが、そんなものとはまったく無縁です。

システム要件を見ると「Core i5以上」と書いてありますが、Pentium G5420でもそれなりに動くくらいには軽快です。

僕の環境の場合RAMは16GB積んでいるのでまったく問題なしですが、設定次第で8GBでも動くのでは・・・?と思うくらいには軽快。

設定の詰め方としては、「ウィンドウ(W)」→「システム使用状況」でシステム使用状況(右側のグラフ)を見つつ、「設定(S)」→「プレイバックエンジン(P)」の下部にある「キャッシュサイズ」を調整して「OK」をクリックすると、ディスクキャッシュやメモリの割当が行われます。

ご自身のスペックに合わせて調整してみましょう。

たまに癇癪を起こすことはありますが、基本的に多少止まって終わるくらいで済みます。

全体的に動作が不安定な場合はWindowsの再インストールや各種ドライバの更新をお勧めします。

「慣れれば強い」多彩なキーボードショートカット

ProToolsの一番の難関ポイントにして魅力的な部分。それが「キーボードショートカット」です。

PCを長く使っていても、いろいろなアプリケーションを行ったり来たりしているとおろそかになりがちなものですが、ProToolsを使うことによって大切さを再認識できます。マジで。

ショートカットキーの一例(FireFoxのメニュー。右側に書いてあるのがショートカットキー)

一例として頻繁に使うショートカットキーを数個紹介します。(Windows版)

Ctrl+Shift+O セッションファイルを開く
Ctrl+Shift+I 【インポート】楽曲ファイル(wav/mp3/m4aなど)の取り込み
Ctrl+Alt+B 【バウンス】録音・制作したデータをオーディオファイルとして書き出す
Ctrl+S 保存(大事です!!)
Ctrl+Shift+N 新規トラック作成
R/T 縮小/拡大

他にもいっぱいありますが、個人的に一番使うものを列挙しました。

また、テンキーを使用したショートカットも多彩で、更にCtrlキー+テンキーの任意数字で各種ウィンドウの操作ができたりします。

そして個人的に一番気に入っている点は・・・

「Ctrlキーを押さずとも任意のキーを押せばできる作業」があること。

例えば、DAW以外のソフトでもオーソドックスな「コピー」「貼り付け」「切り取り」などの作業は、Ctrlキーを押しながらそれぞれ「C」「V」「X」と押していくのがオーソドックスです。

それらの作業がCtrlキーなしでもできるのです。

これは慣れると抜け出せません。

他のDAWでもProToolsのショートカットを体感できます

実はこのショートカットキーですが、ProTools以外のDAW、例えばStudio Oneではキーアサインを他のDAWに合わせて設定できたりします。

いつもマウスで色々と作業している方も、これを機にショートカットを覚えることをオススメします。

ただ、ProToolsのショートカットキーの使い方は体験版及びProTools Firstで学んでいくことをおすすめします。

Studio One 4のショートカットキー設定画面。他の使い慣れたDAWに合わせて設定できるが、個人的にはProToolsのプリセットを推奨。

ProToolsのキーを覚えたことによるちょっとした嬉しい効果

これはあくまで個人的なものなのですが、導入した3日後に渋谷の某DTM専門店にお邪魔し、マイクの「お試し」をしてきました。

そのときに用意されていたPCで、予め起動されていたDAWがProToolsだったのです。

ただ動いていたのがMacBookProだったので、テンキーがなくて多少戸惑ったのですが、それ以外は普通にいけました。

※ProToolsの「録音」キーはテンキーでは[3]ですが、テンキーなし(付いていても効く)の場合は[F12]です。

普通に「はいどうぞー」とコーナーに通されて画面を見たとき、「習得しといて正解だったな・・・」と、友人と話していました。

魅力ばかりではない!デメリットも紹介

ここまで聞くと「なんかよさそうじゃん・・・?」と思いそうですが、少し待ってください。

実はデメリットもたくさんあります。

習熟に時間がかかる

これは後に連ねるデメリットにも関わる部分なので最初に言っておきます。

ProToolsはさに読んで字の如し「初心者お断り仕様」の玄人向けのDAW・・・

否。

「他のDAWで慣れきってまあ余裕っしょーと思ったら操作系統で壁にぶち当たる初見殺し王者」

です。

現在他のDAWを使用していて、ProToolsを導入してみたい方へ。最初に言っておきます。

「導入当日にリリース用の録音ができると思わないほうがいい」と。

操作方法や仕組みをggりながら試行錯誤していたら録音する時間はあっという間になくなります。

むしろ最初に触れたDAWがProToolsだと他のDAWが使いづらくなるのでは?という懸念はありますが、Studio Oneのようにマッピング自体を変更できる場合もありますのでご安心を。

やっぱり古めかしい・独自の言い回しが多い

ProToolsが現場の第一線で活躍している理由の一つとして「歴史の長さ」があるのですが、むしろそれが足枷となっているのではないか?と疑いたくなるほどのUIの古さが多く目立ちます。

一番外側以外Windows7っぽい。

この外観をよく見ていただけるとわかるのですが、Windows10の最新版で動いているにもかかわらず、一番外側のウィンドウを除いてWindows Vistaや7の世代を彷彿とさせる古めかしい画面です。

先に述べた「動作の軽さ」とトレードオフの関係なのかも。

ただ、Studio OneやCubaseと比較するとちょっとモダンとは言えないものです。

しかし、これだけでは古めかしさの証明になりません。更に掘り下げてみましょう。

Ctrl+テンキー[2]でセッション設定へ。初見殺し王者の片鱗。

・・・もはやOSが違うのでは?これ本当にWindowsで動いてるの?

とでも言いたくなるようなウィンドウが出てきました。

どちらかというとMac OS X以前のOS8とか9とか、あのあたりを想起させるような・・・(これ00世代とかに通じるのかは微妙ですが)

そして、ProToolsには「独自の言い回し」がすごく多いのです。ネットスラングより更に狭い。

例えば、音源をWAVファイルなどで書き出す操作は通常「ミックスダウン」「エクスポート」などと呼ばれますが、それを「バウンス」と言ったりします。

書き連ねたらキリがありませんが、他のDAWと同じノリで突入するとまず「独自の言い回し」でかなり困惑します。

これも「歴史の長さゆえ」の弊害かと思われます。その分ProToolsを長く使っている現場の方々には通じやすいんですが。

Tips:各種DAWの発売年

括弧で表記されているものは旧開発会社・製品名。

メーカー 製品名 初期バージョン発売年
Steinberg Cubase 1990年
Avid(Digidesign) ProTools 1991年 (前身の「Sound Designer」は1985年)
Image-Line FL Studio 1997年
Bandlab(ROLAND) Cakewalk(SONAR) 2001年
Ableton Live 2001年
PreSonus Studio One 2004年

Cubaseもなかなかに歴史が古いですが、やはりProToolsがずば抜けて長い歴史を誇っています。

ショートカットキーの柔軟性皆無

さて、先程「魅力」として挙げたショートカットキーなのですが、重大な欠点があります。

「変えられない」こと、そして「追加できない」ことです。

操作系統の設定にショートカットキーの設定がなく、「この設定もキー一発でなんとかならないかなー!!」ってところができなかったりします。

他のDAWだとCtrlキーとかを3つ4つ複合してでもなんとかねじ込む!!ってことが可能なんですが、そういうことがまーったくできません。

もともとが業界向けのソフトなので下手に操作系統を弄れるのは逆に困るのかもしれません。でもせめて少し追加させてくれたっていいじゃない・・・もしくはマクロ機能とか実装してくれてもいいじゃない・・・と、少し思いました。

そして「変えることもできない」ので、他のDAWに慣れていると操作ミスが多くなったりします。

「俺様に合わせろ」とでも言わんばかりの操作系統です。

慣れればいい話しなのですが、最初はやはりとっつきづらいです。

公式サポートされているのはIntel製プロセッサのみ

これまではソフトウェア面のデメリットですが、次はハードウェア面のデメリットです。

これはこの一つが唯一にして最大といえる弱点。

Pro Tools – Intel® Core i5 プロセッサー。

Pro Tools | Ultimate – Intel® Core i9 または Intel® Xeon プロセッサー

Pro Tools システム要件(Avid公式)

公式でサポートされているCPUはIntel製のCPUのみ。

そう、現在巷で話題になっている「Ryzen」及び「Ryzen Threadripper」を含むAMD製プロセッサは、公式でサポートされていないのです。

なお、「動かない」わけではありません。

以前僕が使用していたPCの基幹部はB450マザーボード+Athlon 200GEでしたが、無料版である「ProTools First」が普通に動きました。(必須要件はほぼ同じです)

ついでに言うならProTools上で動画を扱う際にサポートされるビデオカードはNVIDIAのみなのですが、扱うイメージがないので関係はないかなーと。(扱う方はお気をつけください)

それなりの価格を払って購入・契約しているDAWで何かしらの動作不良があった場合に「AMD?知らんがなw」とあしらわれるリスクを考慮すると、システムを組む際の選択肢は必然的に狭まることになります。

そもそもProToolsというソフト自体がMacでの使用前提のようなもので、Windows版が出たのが初回リリースの10年後です。現行のMacはすべてIntel製プロセッサなのでなおさら。

ただ、それでもリリースから20年は経過しており、その間にもAthlon XPが熾烈な戦いを繰り広げたりAthlon 64が肉薄してきたりしているわけです。

更に2017年に「Ryzen」が注目を浴び、2019年に第3世代が発売されたことによってIntelとの性能差が埋まりつつあり、性能と価格のバランスの良さから選ぶユーザーも多くなってきた中でこの状況は「慢心」なんじゃないかな?と思います

そして動画を扱う際の要件ですが、最近はMacのグラフィック周りにRadeonが採用されていることが多く、NVIDIA縛りにも無理があります。

Avidさんに今度メールか何かで聞いてみたいですね、このへんは。

まさかの「QuickTime」必須。入っていないと怒られる。

さて、ハードウェア周りの弱点を連ねたところで、ソフトウェアに戻ります。

実はProToolsには別途で「必須」なソフトが存在します。

ちなみにこれはAvidの公式サイトで配布はされていませんし、一緒にインストールされるわけでもありません。

ただ、インストール時に警告が出ます。

そして、そのソフトウェアを入れないと、MP3やAAC(m4a)などの圧縮音源と動画がProTools内で変換できず、一切取り扱えません。

MP3やAACなどの圧縮音源はProToolsで直接扱えず、WAVファイルへの変換必須です。

そのソフトウェアは・・・QuickTime。

QuickTime Player

Apple謹製の動画プレイヤーですが、インターネット老人である僕と同じ世代だと「うわっ懐かし!!」ってなる方がいらっしゃるかと思われます。

昔のサイトでCM動画とか漁るときは必須のものでした。

そしてiTunesをインストールすると一緒に入ってくるうざったい存在でした。

しかし、最近はその姿を見ることはなくなりましたね。その理由はなにか?

2016年に脆弱性が発覚、Mac版も追い出された

ProToolsで使用されているのは「QuickTime 7」という旧世代の骨董品です。

実はWindows版のQuickTimeは最終バージョンである7.7.6を最後に2016年4月にサポート終了している上に、脆弱性が発覚したためIPA(情報処理推進機構)からアンインストールしろと勧告が出ている代物なわけです。

更に言うと、Mac版のQuickTime 7もMojaveまでは残りましたが、2019年リリースの「10.15 Catalina」からとうとうQuickTime 7が排除され、「QuickTime Player X」という新しいシステムに一本化されました。

この切り替えに伴い、Catalinaに対するサポートが遅れに遅れ、ProTools 2019.12にサポートが開始されましたが、やはりQuickTime絡みの影響でサポートは不完全なようです。

今やQuickTimeのムービーファイル(.MOV)やMPEG-4の動画ファイルなんて別のソフトで開けて、

「QuickTime Playerを入れずに運用して困る場面といったらProTools”だけ”」

という状況まで追い込まれています。

黄色マーカーで示している警告が出るものはQuickTimeが入っていないと取り扱えない。

「変な部分に拘りすぎる」のがAvidさんの悪いところですね。

ProTools以外にも動画制作ソフト「Media Composer」があるのですが、こちらは「Windows Media Player」を入れないと警告が出ます。

これはあくまでイメージなのですが、動画や音声のエンコーダー周りってオープンソースが多いので安定性に欠けるというのもあるかもしれません。

しかし、そうだとしたらむしろ自前で作って欲しいくらいです。

そのほうがユーザー側としても安心できます。

Tips:脆弱性の回避方法として紹介されているもの及び個人的な最善策

先述の通り、QuickTime PlayerのWindows版は「使用するな」と偉いさんから烙印を押されたものではありますが、未だに配布は行われています。

Apple公式配布ページ

それもそうです。ProToolsユーザーにとってはこれがないとわりと困るわけですし、もしかすると他の用途で使用する方もいるかもしれません。

そんな時には最低でも「QuickTimeのオプション機能」を削除すること、またProToolsにおける用途では「QuickTime Essentials」があればいいので、それだけを単独でインストールすれば回避できる、と紹介されています。

ただ、画像に示しているインストーラー自体の脆弱性が発覚しており、完璧に安全とも言い難いものです。

そこで、まずProToolsの使用を前提とし、なおかつQuickTimeを経由しない方法としては、

m4a/mp3などの圧縮音源は外部のソフトでWAVにデコードして使う

ことを推奨します。

「えこでこツール」

僕が愛用しているのは「えこでこツール」です。

完全無料で使用でき、エンコード・デコードだけでなく動画からの音声抽出(元動画がmp4の場合は無劣化)もできるため、おすすめです。

ただ、これで何でも対応できるかというと怪しいため、ケースバイケースです。(僕が宅録とミックスしかやってないためそこまで検証できていません)

まとめ:玄人向けだが慣れれば天国。今後の発展に期待したい

それでは、まとめに入ります。

メリット

・動作が軽快で高機能

・ショートカットキーが豊富(寄せる必要あり)

・DAWで唯一の公式サブスクリプション加入でプラグイン入手可能

デメリット

・AMD製CPUに非対応

・未だQuickTimeが実質必須

・UIの古さは拭いきれずとっかかりにくい

僕自身の総評としては、

「今後の課題は多いが、手軽に手を出せるプロ用ソフトウェア」

といった感じです。

多分メリットよりデメリットのほうが物量は多いかもしれませんが、実際は満足しています。

ただ、PC初心者がいきなり挑戦するには難しいかもしれません。Googleさんを端で起動させて右往左往するしかありません。

多分鍛えられますよ。

それなりの前提知識を持っていれば、あとは固有の使い方を補完するだけです。

システム・ユーザーインターフェイス周りの融通の効かなさは「業界標準」であるが故のものと割り切り、思い切り楽しむのもアリかなと思います。

おまけ:無料で試せる「ProTools First」

「全体的な操作を学びたい」「いきなりお金を出すのはちょっと・・・」「自分のPCでちゃんと動くかテストしたい」といった場合は、無料で機能制限版の「ProTools First」をおすすめします。

ProToolsエディション比較(Firstのダウンロードはここからできます)

制限事項としては、

・プロジェクトはクラウド経由で3つまで

・プロジェクトファイルのローカル保存は可能だが、任意のフォルダに保存できない。

・外部プラグインは使用できない(プリセットorAvidマーケットプレイスから購入したもののみ)

・トラック数は16まで(「歌ってみた」程度なら使える)

以上の制限はありますが、録音目的なら必要十分です。

そして、実はFirstでProToolsのセッションファイルも開けたりします。但しクラウド側の空き容量との兼ね合いは必須です。

そして「試用版」も一応あるのですが、こちらの場合は問答無用で「ProTools Ultimate」という最上位版が入ります。

ソフトの中身としては個人で使うには大した差はありませんが、一応要求スペックが上がるため動作検証目的で入れるには掴みづらいかもしれません。

また、個人使用において「Ultimate」は無用の長物と考えたほうがいいです。必要になったらアップグレードをおすすめします。

それでは、良き宅録ライフを。

コメント

タイトルとURLをコピーしました